第一回「保坂和志を囲む会」のご報告
2000.10.22.sunday

囲む会を心から祝福するような曇天の日和。
午後1:00集合に遅れてくる人もちらほら・・・・、
それでもなんとか全員集合! 
でもって、稲村が崎公園での記念写真。
後列:14、そのは、なつを、なつを妹、がぶん、くま、ひろこ(現あめ)、黒パン
前列:おくい、ほさか、けいと。
 尚、この他の参加者、みちるさんとナカモリさんが写っておりませんので、念のため後ろの崖から海面を探してみましたが、見当たりませんでした。

この後、
観光コースでもない所を徘徊する無気味な集団と化した我々は、
ひとしきり稲村周辺を散歩し、
午後2時くらいに景都ん家に到着。
そこでは、
景都さんが淹れてくれた色んなお茶を飲みながらの自己紹介、
ケーキの抽選会、ヒサ感想文の一等賞発表、
持ち寄り保坂本への即席サイン会などが次々と行われました。
(宛て名書きを求めない参加者には、
「あ、売るつもりだ」などと、決して嫌味を忘れない保坂です)
写真は、保坂生原稿を手にしての和やかな商談、
もとい歓談の様子です。
また、予定にはありませんでしたが、
今回は第一回の囲む会ということでしたので、
参加者の皆さまには、それぞれに、保坂和志手書き原稿の部分部分
(原稿用紙7枚づつ)を記念に進呈いたしました。
だからといって次回ももらえると思ったら大間違いだと思いますが・・・・。

このあと、近くの小料理屋へ場所を移し、
おいしいお魚をつまみに、
ビールやお酒やチューハイやコーラなどを飲みながら、
「保坂で〜す!、がぶんで〜す!」みたいな
漫才もどきのバカ話を皆さまに披露し、
皆さまには多大な感動を与えられたことと、
主催者は勝手に解釈しております。


なつをの鎌倉滞在記


待ち合わせの時間きっちりに鎌倉に着いたら既に保坂和志さんをはじめ参加者の皆さんが待ち合わせ場所として設定された昔ながらの赤いポストの前に集まっていて、その中で保坂さんは飄々と立たれていた。
鎌倉に保坂さんがいるっていう風景は単純なファン心理なのかもしれないが凄くなじんでいて自然な風景のように感じた。はじめて訪れた土地なので、やっぱりそれはただのファン心理なのかもしれないけど、とにかくそう思った。

僕はお会いしたら緊張のあまり何も話せないんじゃないか?
って心配していたんだけど
保坂さんが「なつを君?」といきなり声をかけてくださったので何でわかったんだろう?と緊張するまもなくびっくりした。
(前日は緊張していた)

どうやら、妹と一緒に行くといっていたので解かったらしく、景都さんも僕は書いてる文章そのまんまの人間ですぐにわかったとおっしゃった。でも、景都さんは僕はもっと年齢のいった大人だと思っていたらしい。で、実際会うと子供なんだそうで、現実の方がいいと言ってくれた。僕はベルベットのジャケットを着ていて、そのジャケットは胸の所に白い名札のようなポケットが付いているんだけど保坂さんが「名札に名前書かなきゃ」と続けておっしゃってみんなが笑ったので完全に僕はリラックスできた。

保坂さんと小説の舞台を散歩している時、意外だったのが、保坂さんが”歩くペースが速い”と言うことで、小説のイメージからは歩いているという感覚よりも喋っているという感覚が強くて、これは多分、小説の場合、本を読むという行為だけどm散歩の場合は実際に歩いていてその中で話をしているから、というのではなくて本当に速い。

僕は歩くの速い方だけど、それでも速いなっと思ったけど保坂さんと景都さんの(この時、僕は景都さんが何者か知らなかったので保坂さんを担当している出版社の人かなんかだと予想していた)
話していることを聞き漏らさない様にピタッと後ろについて歩いた。
鎌倉の海は潮の香りがないなぁっと言ったら、保坂さんがみんなそういうよとおっしゃって、僕が『あの夏、いちばん静かな海。』の舞台はこの辺りかなっといったら、あれはもう少しあっちだよとか、そんな話しをしていたら、後ろの方でがぶんさんが、「はえーよ」と文句を言い出した。がぶんさんの歩くペースはともかくやっぱり歩くのが速いのだ。

鎌倉という土地は僕の大好きな松本大洋さんもここを舞台に漫画を描かれていて、本当に漫画の中の風景があって僕が喜んでいると、
保坂さんが「どうしたの?」と言われて
「松本大洋さんがここを舞台に漫画を書かれたんです」といったら
「あぁ、花男ってこのあたりだもんね」と、まさか(根拠はないが)保坂さんと松本大洋の話しをするとはおもってもいなかったので一度で三度おいしいなぁっと、とにかく嬉しかった。

散歩の途中で『季節の記憶』の登場人物の二階堂君が失恋して見る風景を見れた、その近くに野生のリスがいたのを見つけると、この辺りはリスが多いよと保坂さんが言ったんだけどリスはその時みただけだった。
途中、山中の歩道で、
「あの小説を書くのに何度もここに足を運んだんだ、住んじゃうと書けないんだよね」
と保坂さんが言ったので僕が
「住んじゃうと知りすぎちゃって省けないんですか?」というような事を聞いたら少し間を置いて「う〜ん」と言われた、違ったのかしら?と思った、けどこの日、文学についての会話といえばこの程度で、本当に世間話が大半で小説の中の世界に入り込んだようだった。

景都さんの家でお茶会をして、保坂さんの生原稿を頂いた。
今、保坂さんのHPのキャッチコピーが
「ノーベル賞受賞・希望式作家」なので
ノーベル賞を獲ったらヤフーのオークションにかけてみようかしら(笑←もちろん嘘)
みんなサインをしてもらおうと何冊か本を持ってきていたけど、僕は持っている本全部持っていったので大変な数になった、有難うございます。

景都さんはとにかく接客に徹してくださって風邪までひいてしまった、ご苦労様です。
景都さんは後日もお世話になるのでまたの機会に詳しく書きます。

で、一緒に食事をその後するわけなんですが、エロ話と大暴露会、
ネタ的には普通の飲み会なんだけどこれは内容が普通じゃない、
がぶんさん+保坂さんワールド全開。事実は小説よりも奇なり、
ネットという世界でも自主規制をかけておこう(笑)
がぶんさん曰く「あれは普段の保坂」なんだそうで、
囲む会に参加して本当によかったと思った、当然次回も神戸から参加するつもりです。

で、その足で僕はがぶんさんの家に泊めてもらった。
がぶんさんの家は前もって相当汚い、ということを聞いていたので驚きはなかった。
僕は坂口安吾のような家なのかと思ったら、玄関に蜘蛛の巣が張ってあって、家の中にゴキブリが居て、障子はビリビリでその上に来客者が名前とか書くんだけど、その中にはあの有名な哲学者・木田元さん(こう言う書き方しながら名前しか知らない)や保坂和志さんの名前が書いてあるぐらいで、がぶんさんという人を考えれば至って自然な現象の様に思える。
あっ、あと猫のふくチャンが蛇の太郎と応接間で格闘していたっけ
 


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